こんにちは。前後のスプロケットと、チェーンと、ハブダンパーの交換をしたので記録しておきます。特定整備(旧・分解整備)にあたる作業が含まれます。ガバが多発しているので、仔細については書きません。不安な人はショップに依頼しましょう。
経緯(作業前日に書いたゴタク)
スプロケットは新車からずっと(37,000km)使っています。
チェーンは、新車(DID)で10578km→EK 420SRで23,296km→DID 420Dで3126km→今
って感じです。
ハブダンパーも新車から替えてないです。別にガタを感じるわけじゃないけど(変化がゆるすぎて気づいていない説もあるが)、替えられるときに替えておきたい消耗部品です。
とりあえず、スプロケットの丁数変更をやってみたいお気持ちがあったんですよね、実用上は純正で困ってはいないのですが、どちらかといえばツーリング向けのまったりセッティングにしたいなと。ということでフロントを1丁upにしようとしています。
フロントを1丁upにすると、リアを3丁upくらいの比率なんですよね(JB-03純正はF14:R37)。チェーンのコマ数変更が(大概)不要だったり、交換の容易さから、どちらかといえばフロントで調整するのがオススメ。ただし、このJB-03もですがスプロケを大きくすると車体等と干渉することがあるので適合表などを要確認です。
そもそもなんで今かというと、フロントタイヤがもう2万km以上使っていて表面にヒビも見えてきて、お客さんそろそろ交換ですよ~な感じになっているので交換したいんですよね。で、交換するときはiRCのロードタイヤにしたい。今までは純正→K180とブロックパターンのを使っていたので、先にロードタイヤに替えちゃうと乗り味が良くなりすぎてスプロケ丁数変更の実感を得にくいかもと思ったので先にスプロケ交換に踏み切ることにしました。
基本的にスプロケとチェーンは同時交換を推奨されています。新品のチェーン(スプロケ)に消耗したスプロケ(チェーン)を当てるとかみ合わせが適正でなくて無駄に消耗するからですね。
現実にはそんなことするのもダルいので今まではチェーンだけ替えていましたが、スプロケを替えるとなったら流石に今の3000kmDIDスチールむき出しを当てるのは可哀想なのでチェーンも交換です。
実際の流れ
前日に、「リアスプロケ届いたぞ~、チェーンは買ってあるs……」
と思った瞬間にチェーンを買い忘れたことに気づきました。
速攻ウェビック検索しましたが、流石に数日かかるので、誠に遺憾ですが諦めてチェーンは数日先延ばしにすることにしました。
交換部品
サンスター フロントスプロケット 103-15
キタコ ワイドチェーンガイドプレート 683-1452400
キタコ リアスプロケット 535-1452037
純正部品
- ハブダンパー 06410-KWB-600
- Uナット 90304-KGH-901
- ボルト 92101-060100A
作業開始
リアスタンドをかけました。
タイヤを外します。
外れました。
スプロケを掴んでグリグリすると、ハブダンパーが多少(?)劣化しているのがわかります。
ここで、重大なミスが発覚します。
リアスプロケットのロックナットを緩めるための17mmのソケットが無い!!!
カス過ぎん???????????
替えの純正も持っていたのにチェックしていないという
だって17mmなんて今まで使ったこと無いもん
はぁ~~~~( ´Д`)=3
- 選択肢1……ホイールを組み直して買い出しに行く
- 移動は楽
- 組んで行って帰ってきてバラしてスプロケ替えてまた組むのがツラい
- 選択肢2……歩いて買い出しに行く
- 数キロ歩くのがキツイ
- ホイール組付けしなおす必要はない
ちと悩んだ末に、お散歩することにしました。
作業中断、お散歩
数キロ先にあるホムセンへソケットを求めてお散歩に行きます。
広げている部品や工具は一回玄関にしまいました。
30分ほど歩いて、ホムセンに着きました。
あった!!!!!!しかもTONE。
嬉しすぎてTONE17ミリソケット差込角9.5mmガチ恋口上を打ってしまいました。
mstdn-bike.net
(は???)
帰ります。
作業再開
帰ってきました。1時間ほどの中断になりました。
しまっていたのを引っ張り出して、スプロケ外しにかかります。
一旦ハブダンパー新品に替えていましたが、ロックナットがバカ固いのでそのままだと無駄な力を加えてしまうため、古いハブダンパーを入れ直しました。
すごい体勢で力を掛けたらどうにか外すことができました。一つナメかけて冷や汗出た
キタコのスプロケと新品の純正ナットを入れて、ハブダンパーも改めて新品にしました。
ホントはもう少し真面目に清掃グリスアップしなきゃいけないんだけどそこそこな感じになってしまった…………
フロントスプロケはあっさり交換できます
フィキシングプレート(銀色のプレート)を奥のウエスの上でサビ落とししています。
こっちのネジはサービスマニュアル見てもネジロックとか書いてないのですが一応新品を用意していたので交換しました。てか外すときにちょっとナメた感あったので。
チェーンガイドプレートは、純正だと大きくしたスプロケに干渉するのでキタコのやつに替えます。
ホイールは、外すのはまあやればできますが取り付けが難儀しました。一回教えてもらったんだがなぁ……
なんやかんやあって、取り付けできました。
ロックナットを新品にしているのと、キタコスプロケットは純正スプロケットにあるチェーン脱落防止のガードが無いのでスッキリした見た目になります。
ホイール取れているタイミングで普段はあまり拭きづらいフェンダーの裏とかも拭きました。
試走、というか補足
家の近くを走ってみます。確かになんだか、スロットルを頑張らなくても60km/hで走れている印象。
ギヤ比が純正の $\frac{37}{14} = 2.642$ から $\frac{37}{15} = 2.466$ になります。速度についてはギヤ比に反比例するので、ギヤ比が小さくなると(同速ギア同一回転数での)速度が上がります。今回はギヤ比変更率が $\frac{37}{15} \div \frac{37}{14} = \frac{14}{15}$ なので、速度はこれが逆数で効いて $\frac{15}{14} = 1.07$ 倍になります。ちなみに、トレードオフとしてトルクが失われるので、加速性能は落ちます。$\frac{14}{15} = 0.93$ 倍の加速性能になるので、発進はともかく、高速域での変速は回転数の調整がより重要になってきます。
急に理屈っぽくなりましたが、要は、そういうことです。
メーターについてですが、モンキー125のメーターはクランク(出力軸)の回転数をセンサーで拾って速度に変換しています。つまり、純正セッティングでのスプロケ・タイヤでの出るべき速度を計算して表示しています。今回スプロケを交換したので、メーターの表示速度は同じでも、実際の速度は変わっている(速くなっている)わけです。いままで、GPSサイコンとの比較で大体4~5km/hくらい高めに表示されていました(つまり60km/h表示でも実際は56km/h程度)が、スプロケを交換したらほぼ実測値通りの表示になりました。
そこで懸念されたのがABSのエラーです。ABSは、先述の計算したスピードと、フロントタイヤの回転数(センサーで拾う)から計算するスピードを比較して、その差が大きい(フロントだけ止まっている(ロックしている))ときにブレーキ操作に介入して完全なロックを回避しようとするシステムです。スプロケを交換することでここに誤差が発生してエラーを吐く可能性がある、という話があります。
https://www.kitaco.co.jp/goods_detail/P762-1301100 ……キタコの速度パルス変換ユニットの取扱説明書
OPマルチメーターとドクタースピードの組み合わせに関する追補情報ページ - オプミッド MOTORCYCLE ACCESSORIES
これについては、今回は特に警告灯がつくこともなく、(ABSを効かせるほどの急ブレーキテストまではできないですが)問題は無いと思われます。
まったりと走る用のセッティングになるので、おおらかな気持ちで乗ってあげたいと思います(数日後セッティングは元に戻りました)。
後日、チェーン交換
数日して、ウェビックからチェーンが届いたので交換しました。
RKの420MRUのブラックです。このチェーンは、420サイズながらシールチェーンです。超薄型のシールを採用しているので、干渉の心配はせずにノンシールからシールチェーンに替えることができます。さらに、ジョイントはクリップ接続なのでシールチェーンで有りがちなカシメ作業が必要ありません(というか、排気量が大きい→潤滑・強度が必要→シールかつカシメという因果)。クリップで押さえるとなんとなくグリス封入性能が落ちそうな気がしますが、そもそもノンシールで十分走れる排気量なのであんまり気にしなくていいと思います。
ウェビックって時々びっくりする安さのありますね。
3回目?のチェーン交換です。まあ、チェーンカット成功すればほぼ終わりなので。
できました。
いい感じですね。
おしまい。
走行になにか違いが出たかと言われれば、よくわからん、というのが感想です。
ちなみに、リンク数は変えてなくてフロント1Tupしているので、張りの調整は目盛りの端っこ(引き代大量のところ)になりました。
感想
フロント1Tupは、正直そんなに良くなかったです。純正は消耗しているしすでに金属ゴミに出してしまったのですが、すぐ14T買って戻すつもりです。
ギヤ一つあたりの担当できる速度が伸びたのですが、結局常識的に使う範囲内からはみ出てしまって、5速高回転は活かせないし街乗りのときは4速で60km/hまで持っていく気持ちじゃないとうまく行かなくてしっくりこない。
ホンダさんがエンジンの出力を効果的に活かせるようセッティングした丁数なのだから安易に変えてもいいことがない、という学びを得ました。
リアスプロケットは、替えた経験ができたのは良かったですが、もう自分ではやりたくないなって笑
純正スプロケ、全然減っている感じしなかったんですけどね。リアなんか、キタコの新品のほうが歯が細い気がしましたが……気のせいかな
チェーンも、変化はよくわからんけど、シールチェーンになったので洗浄にパークリではなくチェンクリを使わないといけない。まあ、丁寧なクリーニングになるので良いことでしょう。
ちなみに、ノンシールチェーンからシールチェーンにするとOリングが挟まっているので当然手でタイヤを回したときの抵抗は大きくなります。それで、「ノンシールチェーンの方が抵抗が無くて良い」と思う方がいるとかいないとかいう話ですが、シールチェーンが本領を発揮するのは人間のカスな力ではなく、エンジンの強力なパワーで引っ張られたときで、そのときにはノンシールに塗りつけられたルブよりも、シールで確実に封入されたグリスの方が潤滑保護性能は高い、という話があります。みなさまの信仰している宗教に従って解釈してください。
すでにフロントスプロケは14Tに戻しているし、記憶が薄くなってきているので、もう終わりにします。
おしまい。